ウルベルク UR-202とは?回る時表示と伸び縮みする分針を読む

ウルベルクUR-202の表側。3つの時表示サテライトと、下部の分目盛りへ伸びる指示部が見える。 独立時計師・超高級時計
UR-202のメーカー提供写真。個体のケース素材・製造年は未特定です。写真:URWERK / Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0。画像の改変なし。

ウルベルクのUR-202を見ると、文字盤の中に数字を載せた立体的な部品が並んでいます。普通の時計で探す長針と短針が見当たらず、どこから読めばよいのか戸惑うかもしれません。

入口になるのは、分目盛りに向かっている時の数字です。その数字と、そこから伸びる針先を組み合わせて時刻を読みます。この記事では実物写真と公式資料から、表示の仕組み、伸縮する針、巻き上げを調整するタービンを順に見ていきます。実機の試着・分解に基づく評価ではありません。

ウルベルクUR-202の表側。3つの時表示サテライトと、下部の分目盛りへ伸びる指示部が見える。
UR-202のメーカー提供写真。個体のケース素材・製造年は未特定です。写真:URWERK / Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0。画像の改変なし。

UR-202はどんな時計か

UR-202は2008年に登場した自動巻き時計です。ウルベルクの歩みの中でも、回転するサテライト表示と、空気を利用した巻き上げ調整を組み合わせた作品として紹介されています。ウルベルク公式沿革

掲載写真で中央から3方向に伸びる構造が、その表示を支える部分です。数字を載せた各部品が中央の周りを移動しながら、それ自体も回転します。このような配置を、衛星になぞらえてサテライトと呼びます。UR-202では3つのサテライトと伸縮する分針が連動します。UR-202発表時の公式資料

写真からも、ケース下部に分の目盛りが集まっていることがわかります。周囲を一周する目盛りを探すより、まず「0」から「60」までの道筋を見つけると、表示の配置を理解しやすくなります。

時刻は「時の数字」と「針先」で読む

読み取る順番は、次の3段階です。

  • 分目盛りを探す:ケース下部の0〜60の目盛りを確認します。
  • 目盛りを指しているサテライトを見る:そこに出ている数字が「時」です。
  • その先の分針を読む:針先が指す目盛りが「分」です。

たとえば、分目盛りを担当している数字が「8」で、その針先が「20」を指していれば、読み方は8時20分です。これは読み方を示す例であり、掲載写真の厳密な時刻を断定したものではありません。

写真では「8」が手前に出ており、その下に細い指示部が伸びています。上側にも数字が見えますが、それらを同時に時刻として読む必要はありません。まず、分目盛りに接している表示に視線を絞るのがコツです。

こうして見ると、UR-202では時の数字が分針とともに移動することがわかります。数字を載せた部品を動かす仕組みと、針先を正しい目盛りへ導く仕組みを一緒に考えると、立体的な外観の理由が見えてきます。UR-202公式モデル解説

なぜ分針が伸び縮みするのか

UR-202の分目盛りは、3つの直線的な区間で構成されています。針が目盛りをたどる間、中心から目盛りまでの距離に合わせて長さを変える設計です。公式資料では、カムの形をたどる部品が分針の伸縮を制御すると説明されています。UR-202発表時の公式資料

一定の長さの針が中心から回転すると、先端は円を描きます。これに対して、UR-202の目盛りは円周ではありません。目盛りに沿って先端を動かすためには、回転だけでなく長さの変化も必要になる、という関係です。

写真を見るときは、細い分針の先端だけでなく、その根元にも注目してください。数字を載せたサテライトと分針が、ひとまとまりの表示として配置されています。形を楽しむだけでなく、「この針はどのような経路を通るのか」と考えると、観察する場所が具体的になります。

ただし、静止写真1枚で伸縮の過程を確認することはできません。写真からわかる配置と、公式資料が説明する運動を組み合わせて理解する必要があります。

分目盛りを三つに分けると、針の動きが見えてくる

発表時の資料は、分表示を0〜14、15〜44、45〜60の三つの区間に分けています。左右の15分分に当たる直線はそれぞれ8.3mm、中央の30分分は16.6mmです。中央区間が長いのは、左右の区間の倍の時間を受け持つためです。通常の円形文字盤と違っても、目盛りと時間の対応には秩序があります。公式発表資料・分表示の区間、PDF4〜5ページ

先ほどの8時20分の例なら、針先は中央の区間で読みます。8時50分なら終盤の区間へ移り、時間が替わるところでは次の時表示へ役割を引き継ぎます。このように複数の時刻を思い浮かべると、一枚の写真では分かりにくい「表示が移動する」という意味をつかめます。

表示を担当しない間、分針は最短1.8mmまで縮みます。読むときには大きく使い、使わないときには収める動きです。単に針を伸ばして目立たせるのではなく、表示の広さとケース内に収まることを両立させる仕組みと見ると、伸縮の役割が明確になります。数値は2008年の発表資料によるもので、掲載個体を測定した値ではありません。

裏側のタービンは何を調整するのか

UR-202のもう一つの特徴は、巻き上げローターにつながる2つの小型タービンです。ケース内部の空気の流れを制限することで、タービンとローターの回転を抑えます。公式ページにはFREE、SPORT、STOPの切り替えが示され、STOPでは手巻き時計として使用すると説明されています。UR-202公式・タービンの解説

ここで調整する対象は、自動巻きの働きです。時刻表示を速く進めたり、時計の歩度を直接合わせたりする操作とは役割が異なります。「タービン」という名前だけで発電や動力供給を想像せず、ローターの回転を制御するための部品として捉えると整理できます。

掲載した写真は表側なので、裏側のタービンや切り替え機構は写っていません。これらの構造は公式資料に基づく説明です。表の時刻表示と裏の巻き上げ調整を分けて見ることが、UR-202を理解するうえで大切です。

STOPは、時刻を止めるスイッチではない

裏側の切り替えで止めるのは、巻き上げに関わるローターの動きです。STOPにしても、ゼンマイに動力が残っていれば時計の表示は進みます。その状態では手巻きで動力を補うため、腕を動かせば自動的に巻き上がる状態とは扱い方が変わります。名前だけを見ると時計全体を停止する操作に見えますが、公式は手巻き時計として使う位置と説明しています。公式・三つの切り替え位置

空気の流れもケース内部で完結しています。外から風を取り込んで発電する構造ではなく、タービンが内部の空気を動かし、その流れを絞って回転を抑えます。表側の伸縮針は時刻の表示、裏側のタービンは巻き上げの制御と、二つの特色を役割で分けると機構を混同しにくくなります。公式発表資料・内部の空気経路、PDF2〜3ページ

月相と昼夜表示は、時・分とは別の情報

UR-202には月相表示と昼夜表示もあります。月相は月の満ち欠けを示し、昼夜表示は一日の中での昼と夜を区別するものです。公式説明では、昼夜ディスクは昼のサテン仕上げ、夜の暗い発光素材、明け方・夕暮れの縞模様を使い分けています。小さな表示をすべて日付や秒の表示だと思わず、それぞれが何の周期を表すかを見分けます。公式・月相と昼夜の表示

時計師とデザイナー、それぞれの視点

ウルベルクは1997年に正式に誕生しました。公式沿革は、時計師のフェリックス・バウムガルトナーと、デザイナーのマーティン・フライを共同創設者として紹介しています。ウルベルク公式沿革

UR-202を見ると、時刻を機械的に表示することと、その表示をどのような形で見せるかが密接に結び付いています。数字を立体的に配置する、目盛りを下部にまとめる、そこへ針先を導く。こうした関係を追うことは、外装だけ、ムーブメントだけを見る場合とは違う鑑賞につながります。

この時計の見どころを捉えるには、まず写真の中で実際に時刻を読んでみることです。次に、分針が通る経路を追い、最後に巻き上げを制御する仕組みへ視点を移す。順序を決めると、複雑に見える外観を、役割のある部品の組み合わせとして理解できます。

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UR-202の過去の落札価格

価格確認日:2026年10月5日。The Hong Kong Watch Auction: SEVENのロット815を価格例として示します。

対象・仕様価格区分・出典
UR-202 Turbine Automatic/ロット815
約2008年製・ケースNo.10/AlTiNコーティングのチタン
HKD 275,000過去の落札結果表示額(買い手手数料込み)
価格の出典

箱・証明書を伴うとされた個体です。本文写真の個体価格や、UR-202の全素材共通の価格ではありません。主催者が公表した特定個体の過去の結果です。現在の新品価格や全個体の買取相場ではありません。取引通貨のまま示し、円換算はしていません。買い手ごとの税・送料等の最終請求内訳は未確認です。

価格・在庫・受付条件は変わることがあります。購入や依頼の際は、対象の仕様と最新の支払総額をご確認ください。