ランドドゥエラーは、2025年に登場したロレックスのモデルです。ケースにつながる平たいブレスレットと、ハニカム模様の文字盤が外観の特徴です。内部には新しい脱進機を持つキャリバー7135を搭載し、外装と機械の両方を見直しています。
本稿では機械の仕組み、表示の読み方、36mm・40mmと素材の違いを整理します。資料・公式掲載仕様の確認日:2026年10月5日(価格の確認日は価格欄に別記)。

2025年に加わった、中央3針と日付のモデル
ランドドゥエラーは2025年発表。36mmと40mmを展開し、ケースとブレスレットが連続する外観を採用しています。ロレックス・ランドドゥエラーの概要
基本表示は中央の時・分・秒針と、3時位置の日付です。日付を拡大するサイクロップレンズがあり、裏側には機械を見られる透明なサファイア裏蓋を備えます。公称防水性能は100mです。ランドドゥエラー40・公式仕様
名称に「ドゥエラー」があっても、シードゥエラーの深海用耐圧性能や、スカイドゥエラーの年次カレンダーを共有するという意味ではありません。まず、中央3針と日付を備えるモデルとして機能を確認します。
キャリバー7135と、5Hzの意味
36mmと40mmは、どちらも自動巻きキャリバー7135を搭載します。これは1908の7140を発展させた機械ですが、時刻の刻み方を担う部分に大きな変更があります。ロレックス・7135の位置付け
振動数は5Hz、1時間あたり36,000振動です。往復を1回と数える5Hzと、片道ごとに数える毎時振動数は、同じ動きを異なる単位で示しています。秒針は1秒に10回進みます。ロレックス・振動数と秒針
ここでの「10分の1秒」は、独立したストップウオッチが付いているという意味ではありません。製品仕様にあるのは中央3針・日付・時刻合わせ用の秒針停止機能です。秒針の進み方、文字盤で読める目盛り、別の時間を計測する機能は分けて理解します。ランドドゥエラー36・表示機能
5Hzを、秒針の動きと一日の精度に分ける
5Hzは、調速を担うテンプが1秒に5往復するという意味です。片道を一振動と数えると1秒に10振動、1分に600振動、1時間に36,000振動となります。いくつも異なる性能値が並んでいるのではなく、同じ周期を単位を変えて表した数字です。
この細かな刻みは秒針の滑らかな見え方につながりますが、「毎秒10回進む」と「一日に何秒ずれるか」は別の情報です。前者は動きの間隔、後者は基準時刻からの進み遅れを示します。また、半秒の目盛りの間には秒針の5回分の刻みがあります。肉眼でそのすべてを読み取って計測する機能ではなく、表示の設計を理解するための対応関係です。公式技術資料・振動数と外周目盛り
ダイナパルスは、動力の受け渡しを変える
脱進機は、ゼンマイから届く力を調速機へ一定のリズムで渡す部分です。7135のダイナパルスは、伝達車から二つの分配車へ、さらにインパルスロッカーへと力を受け渡す構成です。ロレックスは、部品同士の滑りに頼る方式に対し、転がりによる接触を使うことでエネルギー消費を抑える設計と説明しています。ロレックス・ダイナパルスの構成
「シリコン製だから潤滑がいらない」と考えるのも正確ではありません。メーカーの技術資料では、グリースではなく油を使い、非常に少量を塗布すると説明しています。脱進機を別の支持台で組み立てて潤滑し、その後に機械へ組み込む工程です。ロレックス・ダイナパルスの潤滑と組立
調速部にはシリコン製シロキシ・ヘアスプリング、セラミック製のテンプの軸、改良されたパラフレックス・ショックアブソーバーも採用しています。機械全体を一つの新素材へ置き換えたという話ではなく、部品の役割に合わせて素材や形状を変えた構成です。ロレックス・7135の調速部
公称パワーリザーブは約66時間です。高い振動数と動力の持続時間を両立する設計ですが、それだけで他モデルより常に正確だと順位付けできるわけではありません。比較例の公表精度は、ケーシング後の日差−2〜+2秒です。ランドドゥエラー40・機械の仕様
ゼンマイからテンプまで、動力の道筋を追う
機械の説明は、動力を蓄える部分、運ぶ部分、リズムを作る部分に分けると整理できます。自動巻きのローターは腕の動きを利用してゼンマイを巻き、蓄えた動力が歯車を通じて伝わります。脱進機はその途中に位置し、調速機へ力を与えながら、歯車が一定のリズムで進むように働きます。ダイナパルスは、この動力の受け渡しを変えたものです。
公式の構成図で見る順序は、伝達車、かみ合う二つの分配車、インパルスロッカー、調速機です。二つの分配車があることは、二つの時計の時刻を表示するという意味ではありません。針の本数を増やすための仕組みではなく、7135内部の動力の伝達を担う設計です。3針と日付という見慣れた表示の奥に、新しい機構があるところがランドドゥエラーの特徴です。公式発表・ダイナパルスの構成
裏蓋からは肉抜きされたイエローゴールドのローターも見られます。大きく回るローターと、細かく往復する調速部は役割も動き方も異なります。公式の裏側写真や動画では、まず大きな部品の動きを見分けてから細部へ進むと、機械を単なる歯車の集まりとして眺めるより理解が深まります。公式・7135のローターと仕上げ
フラットジュビリーは専用の5列構造
フラットジュビリーは、中央の細い3列と外側の幅広い2列を組み合わせる、計5列のブレスレットです。通常のジュビリーと基本の列構成を共有しつつ、リンクを平たくし、中央列を外側よりわずかに高くしています。留め具は隠し式クラウンクラスプです。ロレックス・フラットジュビリー
ケースと帯の輪郭がつながり、端の面取りと仕上げも連続します。「一体型」という外観上の説明は、ケースとブレスレットを一個の金属塊から作っているという意味ではありません。専用の接続機構があり、機能上は連結された部品です。ロレックス・ケースと帯の設計
接続部には摩耗を抑えるためのセラミック部品も使われます。見えるリンク形状だけでなく、連結部の構造も専用設計の要素です。したがって、通常のジュビリーとの互換性を、名称の似ていることだけから判断することはできません。ロレックス・ブレスレットの接続
ケースから帯へ続く、光る縁を追ってみる
フラットジュビリーを観察するときは、中央の3列、外側の2列、両端の細い面取りを分けて見ます。中央はポリッシュ仕上げ、外側の上面は筋目のあるサテン仕上げ、端の面取りは再び光る面という組み合わせです。材質が同じでも表面の加工を変えることで、平たいリンクに輪郭が生まれます。公式・面取りとサテン仕上げ
特に端の面取りはケースの縁から連続して見えるように作られています。時計を斜めから見た公式写真で、光る細い線がケースからどこまで続くかを追うと、一体感という言葉の具体的な意味が分かります。正面の横幅だけでなく、ケースと帯の接点を見たい時計です。
ハニカム模様と、半秒の目盛り
文字盤には六角形が連続するハニカム模様を採用しています。白い文字盤の公式説明では、フェムト秒レーザーを使って模様と溝の細線を加工するとされています。ランドドゥエラー36・文字盤加工
文字盤外周の傾斜した部分には、半秒単位の目盛りがあります。秒針は毎秒10回進んでも、印刷された目盛りはそれとは別の間隔です。参考写真では六角形の模様と6・9の数字、日付の拡大レンズが見えます。ロレックス・外周目盛りの説明
プラチナの比較例はアイスブルーのハニカム文字盤です。1908にもアイスブルーの仕様がありますが、そちらで扱ったライスグレインとは模様が異なります。ランドドゥエラー40・プラチナ仕様
36mm・40mmと素材を4仕様で比較する
以下は、確認日時点の公式掲載から選んだ4仕様です。宝石を使った仕様を含む全展開の一覧ではありません。
| 比較項目 | 36・ホワイトロレゾール | 40・ホワイトロレゾール | 40・エバーローズゴールド | 40・プラチナ |
|---|---|---|---|---|
| 公式掲載仕様 | m127234-0001 | m127334-0001 | m127335-0001 | m127336-0001 |
| ケース径 | 36mm | 40mm | 40mm | 40mm |
| 素材の構成 | スチール+ホワイトゴールド | スチール+ホワイトゴールド | 18ctエバーローズゴールド | 950プラチナ |
| ブレスレット素材 | オイスタースチール | オイスタースチール | 18ctエバーローズゴールド | プラチナ |
| 文字盤 | インテンスホワイト | インテンスホワイト | インテンスホワイト | アイスブルー |
| 文字盤の模様 | ハニカム | ハニカム | ハニカム | ハニカム |
| 機械 | 7135 | 7135 | 7135 | 7135 |
| 公称パワーリザーブ | 約66時間 | 約66時間 | 約66時間 | 約66時間 |
| 公称防水 | 100m | 100m | 100m | 100m |
出典:127234、127334、127335、127336の公式仕様。4例ともフルーテッドベゼル、フラットジュビリー、クラウンクラスプを備えます。
ホワイトロレゾールは、時計全体や帯がホワイトゴールドという意味ではありません。比較例ではベゼルにホワイトゴールドを用い、ブレスレットはスチールです。銀白色に見える外装でも、プラチナ仕様とは材質の構成が異なります。127234・ベゼルと帯の素材
36mmと40mmで機械と基本機能は共通ですが、装着感が同じになるわけではありません。ケース径に加えて、ブレスレットが手首へ曲がり始める位置や、留め具の収まりも確認する対象です。ランドドゥエラーは、径と素材による外装の違い、7135に共通する機構の特徴を分けて見ると理解しやすくなります。


