ロレックス オイスタークォーツ――日付の5035と、曜日・日付の5055

Datejust Oysterquartz; exact reference unverified ブランド・モデル
写真:Esperto Orologi at Italian Wikipedia / CC BY-SA 3.0 / 出典・利用条件 / ライセンス。型番・素材・年・内部機械未鑑定。出品個体とは別。 加工記録:No additional modifications

オイスタークォーツは、ロレックスが展開したクォーツ式腕時計の系統です。デイトジャストとデイデイトの名前を持ちますが、これまでの記事で扱った自動巻きモデルとは機械が異なります。角のあるケースと、ケースにつながるブレスレットも見分ける手掛かりです。

本稿では登場の背景、二つの機械、出品記録で確認できる3型番を整理します。資料確認日:2026年10月8日。歴史的なモデルの解説であり、現行仕様一覧ではありません。

角のあるケースと一体感のあるブレスレットを持つオイスタークォーツ デイトジャスト
写真:Esperto Orologi(Italian Wikipedia)/Wikimedia Commons掲載元/CC BY-SA 3.0。追加加工なし。掲載元がDatejust Oysterquartzとする参考写真です。正確な型番・製造年・素材・内部機械は本稿では鑑定していません。2010年1月10日は掲載元の初回アップロード日であり、製造日ではありません。下記の出品個体とは別です。

1970年の5100と、1977年のオイスタークォーツ

ロレックスのクォーツ史は、オイスタークォーツだけではありません。Christie’sのRef.5100の解説は、同モデルの登場を1970年とし、複数のスイス企業が関わったベータ21を搭載した時計として説明しています。Christie’s・5100とベータ21

その後のオイスタークォーツについて、同社は1977年にデイトジャスト用5035とデイデイト用5055が登場したと記しています。Christie’s・二つのキャリバーの登場

いずれもクォーツ式ですが、5100と、5035・5055を収めるオイスタークォーツを同じ型番や同じ機械として扱うことはできません。名称、年代、搭載機械を分けることが、ロレックスのクォーツ史を読む出発点です。

なお、Phillipsの別の19018出品解説には1976年という記載もあります。初出年の資料差は残っており、本稿の1977年はChristie’sの説明に基づきます。Phillips・19018の解説

クォーツでも、秒針の見え方は一つではない

先行する5100について、Christie’sは秒針が滑らかに進むスイープ式の表示を説明しています。クォーツという名称は時間の基準を作る方式に関わるもので、秒針が必ず一秒ごとに大きく跳ぶことまで意味するわけではありません。ベータ21搭載機を、現代の一般的なクォーツの見た目だけで想像しないことが大切です。Christie’s・5100の中央秒針

この点からも、5100をオイスタークォーツの単なる別デザインとみなすと違いを捉えきれません。ケースの輪郭が似て見えても、搭載機械の名前と秒表示の説明を調べることで、異なる開発段階の時計として理解できます。動画での秒針の動きは観察の手掛かりにはなりますが、それだけで内部機械を確定するものではありません。

5035は日付、5055は曜日と日付

デイトジャスト系の具体例として、Christie’sが扱った1979年頃のRef.17000は、クォーツ式5035と日付窓を備えます。ケースはスチールで径36mm、中央秒針を持つ仕様として記録されています。Christie’s・17000の出品記録

デイデイト系では、Phillipsの1982年頃のRef.19018が、曜日と日付を表示するクォーツ式5055の実例です。ケースは18Kイエローゴールド、径36mmとされています。Phillips・19018の個体仕様

デイトジャストとデイデイトの機能上の区別は、このクォーツ系統にもあります。ただし、同じモデル名だからといって、自動巻きモデルの巻上げ機構や持続時間をそのまま当てはめることはできません。

クォーツ式は水晶振動子を時刻の基準とする方式です。「針を使うアナログ表示」と「機械式」は同義ではなく、オイスタークォーツも針とカレンダーで時刻を示します。表示の方法と、時間を刻む仕組みは分けて理解します。

角のあるケースと、つながるブレスレット

Christie’sはオイスタークォーツ デイトジャストの特徴として、角張ったケースと一体型のブレスレットを挙げています。1979年頃の17013の出品例は、スチールとゴールドを組み合わせた外装です。Christie’s・17013の外装

参考写真でも、丸い文字盤の周囲に幅のある面があり、その輪郭からブレスレットへつながる形が見えます。文字盤が円形であることと、ケース全体の印象が丸いことは別です。正面だけでなく、斜めから見た面のつながりにも特徴があります。

ここでいう「一体型」は、ケースとブレスレットを一つの金属塊として作ったという意味ではありません。また、ランドドゥエラーにも連続感のある外装がありますが、見た目の共通点だけで機械や部品の互換性まで判断することはできません。

36mmという横幅だけでは、外形を捉えきれない

別の具体例として、Christie’sの17000Aの出品記録には、幅36mmに加えてケースの全長42.5mmが記載されています。これはその出品個体の記録であり、本稿の3型番全体の共通寸法ではありません。円形の文字盤の周りにケースの面が広がる時計では、横幅と縦方向の寸法の両方を見る意味があります。Christie’s・17000Aの寸法

写真では、文字盤の外周からケースの角へ、さらにブレスレットの最初のコマへと視線を移してみてください。円と直線が連続する外形を追うと、丸いベゼルだけを見たときとは違う、オイスタークォーツの輪郭が分かります。比較時にはケースの縦寸法と、ブレスレットを含む腕周りの長さも混同しないようにします。

出品記録の3型番を比較する

以下は、個体を特定して記載された情報の比較です。各型番の全生産期間・全文字盤を代表する完全な仕様表ではありません。

比較項目 17000 17013 19018
系統 デイトジャスト デイトジャスト デイデイト
出典上の個体年代 1979年頃 1979年頃 1982年頃
ケース素材 ステンレススチール ステンレススチール+18Kゴールド 18Kイエローゴールド
記載ケース径 36mm 36mm 36mm
機械 クォーツ5035 クォーツ5035 クォーツ5055
カレンダー 日付 日付 曜日・日付
当該個体の文字盤 ブルー シルバー 木製・ダイヤ入り
ブレスレット素材 ステンレススチール ステンレススチール+ゴールド 18Kイエローゴールド

出典:17000、17013、19018。19018の木製・ダイヤ入り文字盤はこの個体の特徴であり、19018全体の標準文字盤という意味ではありません。

素材の違いと、表示機能の違いは別の軸です。17000と17013は外装素材が違っても日付表示の系統であり、19018では曜日表示も加わります。まず表示と機械を確認し、その後に素材や文字盤を比べると、装飾の印象に引っ張られず整理できます。

型番と、部品にある数字を読み分ける

出品資料には型番以外にも数字が並びます。たとえばPhillipsの19018の記録は、型番を19018としながら、裏蓋内側の刻印を19000と記しています。同じページにある5055は機械のキャリバー名です。これらの数字が違うからといって、直ちに記載矛盾と決めることはできません。どの部品、どの識別項目について書かれた数字かが異なるためです。Phillips・19018の型番と裏蓋刻印

資料を読むときは、モデルを表す型番、搭載機械を表すキャリバー、個体や部品に付された番号を別々に書き出すと整理できます。中古時計の商品名にある数字を、写真に写るすべての刻印と一律に照合するよりも、各欄の意味を確認する方が正確です。刻印が記録されていること自体も、すべての部品が出荷当初のままである証明とは区別します。

終了年と生産数は、資料の範囲を超えて断定しない

Christie’sは二つの系統の終了を2001年と説明する一方、Phillipsの17013解説には、カタログから完全に消えた年として2004年が記載されています。Christie’s・終了年の説明、Phillips・カタログ掲載終了の説明

製造、販売、カタログ掲載は同じ出来事ではありません。ただし、この違いだけで二つの記述の理由を説明できたわけではなく、メーカーの当時の資料との照合は残っています。本稿では一つの「最終年」へ統合しません。

生産総数についても、メーカーの集計原本を今回確認していないため、確定値を掲載していません。発売価格・生産数の記事と同様、完成した時計の本数、機械の製造数、推定値は区別する必要があります。

同じ型番でも、現在の個体を見る

Phillipsの1977年頃の17013は、メーカーでの整備によって外装の多くが交換され、機械を保持した個体として紹介されています。出品時の外観が、そのまま発売当時から残った外観とは限らない実例です。Phillips・整備後の17013

そのため、型番や推定年代に加え、文字盤、ケース、ブレスレット、整備記録を分けて確認する意味があります。写真が鮮明でも、内部機械の状態や部品の履歴まで写るわけではありません。

オイスタークォーツは、ロレックスの歴史を「自動巻き」という一つの方式だけでは説明できないことを示す系統です。5100との違い、5035と5055の役割、外装と整備履歴を順に見ることで、個々の時計の特徴が捉えやすくなります。

オイスタークォーツの過去の取引価格

価格確認日:2026年10月8日。以下は確認日に参照した過去のオークション記録です。表中の開催時点と本日の確認日を区別してください。

対象・仕様価格区分・出典
Ref.17013/ロット8036
2022年12月終了・The Beauty in Everything/スティール&イエローゴールド
HKD 81,900過去の落札結果表示額(買い手手数料込み)
価格の出典

この17013は主催者が約1977年と記載し、2021年のサービス明細と多数の部品交換について説明した個体です。交換履歴も含む条件付きの結果で、未交換個体やゴールド製デイデイト19018の共通価格ではありません。 これは主催者の過去の結果表示額で、ハンマープライス単独や売り手の手取りではありません。買い手ごとの税・送料等の最終請求内訳は確認していません。取引通貨のまま示し、現在の円相場や新しい買取相場には換算していません。

価格・在庫・受付条件は変わることがあります。購入や依頼の際は、対象の仕様と最新の支払総額をご確認ください。