タグ・ホイヤー モナコの歴史|1969年の角形時計と、キャリバー11・TH20-11の違い

左リューズを備えた青文字盤のモナコ40周年復刻モデルと展示札 ブランド・モデル
2009年のAthina Fairに展示されたモナコ40周年復刻モデル。左側のリューズと右側のクロノグラフ操作部が分かります。1969年の初代や、下表のCAW211P.FC6356・CDW2181.FC8360そのものの写真ではありません。 写真:Ferengi/TAG Heuer Monaco 40th Anniversary re-edition(Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0)。切り抜き・色変更なし。表示用に縮小・圧縮する場合があります。

タグ・ホイヤーのモナコは、角形ケースとクロノグラフを組み合わせた時計です。青い文字盤や左側のリューズがよく知られていますが、同じモナコという名前でも、年代や型番によって搭載機械とケースは異なります。

歴史を読む際には、1969年の初代、後年のキャリバー11搭載モデル、2026年のTH20-11搭載モデルを分けると整理しやすくなります。

1969年、自動巻きクロノグラフの時代に登場

タグ・ホイヤーの公式解説は、モナコ・クロノマチックの発表を1969年3月3日としています。ホイヤーを含む共同開発陣が手がけたキャリバー11は、自動巻きクロノグラフの初期の機械の一つでした。タグ・ホイヤー公式・キャリバー11とモナコの開発史

ここでは「世界初」という言葉だけで競争を単純化しない方が、時代背景を理解できます。発表、製品化、販売のどの段階を指すかによって説明が変わるためです。モナコでは、自動巻きの計測機構を、特徴的な角形ケースで表現した点に注目できます。

自動巻きと計測を組み合わせた、初代の開発方法

初代キャリバー11の開発史で鍵になるのは、ビューレンの自動巻き機械と、デュボア・デプラのクロノグラフ機構を組み合わせたことです。小型の回転錘を用いる基礎機械に計測用の機構を重ねる方式で、巻き上げと計測の専門技術を一つの時計へまとめました。公式・初代キャリバー11の共同開発

これを知ると、自動巻きクロノグラフという名前が、単にぜんまいを自動で巻く時計にボタンを付けたという意味ではないと分かります。普段の時刻を動かす機械に、計測の開始・停止・帰零を受け持つ仕組みをどう組み込むかが開発の課題でした。ここで述べているのは1969年の設計で、後年の同名キャリバーを分解した説明ではありません。

左側のリューズは、機械とデザインのつながりを示す

公式の開発史によれば、当初のキャリバー11では構造上、リューズを左側に置く配置が採られました。ホイヤーはその配置を、自動巻きであることを印象付ける特徴としても生かしました。

リューズの位置を知ると、正面から見た四角い輪郭だけでなく、左右の操作部を含めてモナコを観察できます。ただし、「モナコならすべて左リューズ」と一般化せず、個々のモデルを確認してください。

左リューズを備えた青文字盤のモナコ40周年復刻モデルと展示札
2009年のAthina Fairに展示されたモナコ40周年復刻モデル。左側のリューズと右側のクロノグラフ操作部が分かります。1969年の初代や、下表のCAW211P.FC6356・CDW2181.FC8360そのものの写真ではありません。 写真:Ferengi/TAG Heuer Monaco 40th Anniversary re-edition(Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0)。切り抜き・色変更なし。表示用に縮小・圧縮する場合があります。

映画の時計と、後年の製品を区別する

スティーブ・マックイーンとモナコの結び付きも、この時計の歴史を語るうえで欠かせません。公式のヴィンテージ解説は、映画『栄光のル・マン』で着用したモデルをRef.1133Bと特定しています。タグ・ホイヤー公式・ヴィンテージ モナコ

現在流通する青い文字盤のモナコを見たときは、「映画の時計に通じる意匠」と「撮影に使われた実物」を分けて考えたいところです。外観のつながりは、同じ個体であることや、同じ機械を搭載することを意味しません。

角形の外周に、円形の時刻表示を収める

モナコは、四角いケースの中で時針と分針が円を描く時計です。まずケースの四隅を追い、次に針の先端が通る範囲、小さな表示の輪郭を順に見ると、角と円の組み合わせが分かります。青と銀の配色に惹かれた場合も、色をいったん脇に置いて形の配置を見ると、モナコらしさを別の角度から楽しめます。

掲載した2009年の写真は、この輪郭や左右の操作部を観察するための参考です。比較表に載せる二つの型番については、それぞれの公式写真へ戻って確かめます。同じ青文字盤の復刻的なモデルでも、時刻の目盛り、針、ケースの縁の作り方まで一致するとは限りません。

キャリバー11とTH20-11を、二つの型番で比較

CAW211P.FC6356は、キャリバー11を搭載したスティール製の自動巻きクロノグラフです。一方、2026年の公式記事が紹介する新世代には、TH20-11を搭載したモデルがあります。タグ・ホイヤー公式・2026年のモナコ紹介

項目キャリバー11搭載モデルTH20-11搭載モデル
比較対象CAW211P.FC6356CDW2181.FC8360
ケース素材スティールチタン
サイズ表記39mm39mm(製品仕様欄)
厚さ15mm13.9mm
キャリバーキャリバー11TH20-11
巻き上げ自動巻き自動巻き
パワーリザーブ40時間80時間
防水表記100m100m

出典:公式CAW211P.FC6356仕様、公式CDW2181.FC8360仕様。

新世代のサイズについては、公式マガジン本文に39.4mm、製品仕様欄に39mmという表記差があります。表は比較対象の製品仕様欄を採用しています。寸法が選択の決め手になる場合は、購入先で対象型番の実寸表記を確認してください。

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本文で比較したTH20-11搭載のモナコ(CDW2181.FC8360)の販売情報を、楽天市場の「まじめなとけいや かめ吉」で確認できます。最新の価格・在庫・保証条件・キャンペーンの適用条件は商品ページをご確認ください。

比較する型番の基準価格

価格確認日:2026年10月5日。日本国内の公式価格を優先し、過去の価格には資料の発表日を併記しています。

型番・仕様基準価格価格の時点・区分と出典
CAW211P.FC6356
キャリバー11・スティール
1,204,500円(税込)国内公式サイト掲載価格/オンライン在庫なし
公式の価格出典
CDW2181.FC8360
TH20-11・チタン
1,347,500円(税込)国内公式サイト掲載価格
公式の価格出典

税込区分は日本公式販売規約の価格条項に基づきます。CDW2181.FC8360は、2026年4月14日の公式発表でも同額の1,347,500円(税込)、同年4月発売と案内されています。CAW211P.FC6356の在庫なし表示だけをもって生産終了とは判断していません。両者では素材や機械も異なるため、価格と仕様を合わせて比較してください。

価格は改定されることがあります。掲載額は中古相場や買取価格を示すものではありません。購入時は対象型番の最新価格と在庫をご確認ください。

30分計と通常の秒表示を、役割から読む

今回の二つの型番の公式仕様は、クロノグラフ機能として1/4秒計と30分計を挙げています。たとえば12分20秒を測ったなら、積算した分とクロノグラフ秒針を組み合わせて読みます。小さな表示をすべて長時間の積算計と考えず、通常の時刻を進める秒表示と、計測用の表示を区別することが大切です。

中央の計測針を止めていても、通常の時刻は進みます。反対に、時計が動いているからといって、直前の移動や作業の長さが自動的に記録されるわけでもありません。スタートさせた時点からの経過を読む機能だと理解すると、モナコの右側に並ぶ操作部の意味が文字盤とつながります。操作の順序は、対象型番の説明書に従います。

チタン、両方向巻上げ、80時間を別々に見る

CDW2181.FC8360では、公式がグレード5チタンのケースと、TH20-11の両方向巻き上げ機構を案内しています。両方向とは、自動巻き用の回転錘の回転を、どちらの方向でも巻上げに利用する仕組みです。クロノグラフ針が逆向きにも動くという意味ではありません。サファイアの裏蓋から見る機械も、表の計測針とは役割を分けて観察できます。公式・TH20-11搭載モデルの構成

80時間という持続時間は、数字の上では3日と8時間です。40時間の例と比べると時計を外しておく間隔を考えやすくなりますが、持続時間が2倍だから精度も2倍になるわけではありません。動力の長持ち、時刻の進み遅れ、計測表示の細かさは、それぞれ別の性能です。

外装では、CAW211Pのスティールに対し、新世代ではチタンのサテン・ポリッシュ・サンドブラスト加工が公式に記載されています。新世代の厚さは1.1mm薄く、黒いパンチング加工のカーフストラップと組み合わされます。角形の存在感を残しながら、側面の厚さや表面の反射をどう変えたかが、正面の青い文字盤以外の見どころです。

名前に「11」があっても、同じ機械とは限らない

1969年のキャリバー11の開発史と、CAW211P.FC6356の製品仕様は、別の時代の資料です。さらにTH20-11は、公式ページで自社製ムーブメントと説明される現代の機械です。「11」という数字の共通点だけで、三者を同じ設計として扱うことはできません。

表の二つを比べると、パワーリザーブは40時間から80時間へと変わり、ケース素材と厚さにも違いがあります。青い文字盤と角形ケースという共通点の内側で、実用上の条件がどう変わったかを見るのがポイントです。

また、角形時計の39mmを丸形時計の直径39mmと同じ装着感だと考えることはできません。角までの広がり、厚さ、ストラップが下に曲がり始める位置も、腕に載せた印象に関わります。

同時代の自動巻きクロノグラフを知るには、エル・プリメロの歴史と表示がつながります。年代が近いことと、機構が同じことを分けて読むと、開発の違いが見えてきます。

さらにデイトナの歴史と比べれば、ケース形状、計測表示、手巻きから自動巻きへの変化を別々の観点で整理できます。

情報確認日:2026年10月5日。比較は本文記載の型番に限定し、シリーズ全体の仕様を示すものではありません。

丸形以外のケースを読み比べるなら、ハミルトン ベンチュラの歴史も合わせてご覧ください。盾形のデザインと、クォーツ・自動巻きの違いを解説しています。