ロレックス エクスプローラーとエクスプローラーII――3針と24時間表示、それぞれの役割

Rolex Explorer; source identifies ref.114270 ブランド・モデル
写真:Max3351 / CC BY-SA 4.0 / 出典・利用条件 / ライセンス。掲載元日付は製造年ではない。初代・現行比較5仕様・Explorer IIではない。機械や当初部品との一致は未鑑定。 加工記録:none in delivered image; resized JPEG made only in work for visual inspection

エクスプローラーとエクスプローラーIIは、どちらも探検との関わりを持つ時計です。ただし、IIを単に「大きくなったエクスプローラー」と考えると、表示と用途の違いを見落とします。

エクスプローラーは時・分・秒を読みやすく示す3針のモデル。エクスプローラーIIは日付と24時間針を加え、外の明るさから昼夜を判断しにくい場所での使用を背景にしています。その後、別の地域の時刻を読む機能も備えるようになりました。資料・公式掲載仕様の確認日:2026年10月8日(価格の確認日は価格欄に別記)。

3・6・9の数字と三角の12時マーカーを備える旧世代エクスプローラーの参考写真
写真:Max3351/Wikimedia Commons掲載元/CC BY-SA 4.0。掲載画像は加工なし。掲載元はRef.114270と説明し、日付は2024年4月23日です。この日付を製造年とは扱っていません。1953年の初期モデル、現行比較の5仕様、エクスプローラーIIの写真ではありません。外観から内部の機械や部品の当初仕様との一致は断定していません。

1953年の登頂と、エクスプローラーの誕生

ロレックスは、1953年のエベレスト初登頂に続いてエクスプローラーを発表したと説明しています。ブランドは探検隊へ時計を供給し、過酷な環境から得られた経験を製品の開発に生かしてきました。ロレックス・エクスプローラーの概要

ここでは、探検隊で使われた時計の記録と、その後に登場したモデルの歴史を分けて読みます。「1953年の登頂と関わるブランドの時計」と「現在のエクスプローラーと同じ仕様の時計」は同じ意味ではありません。

エクスプローラーの外観を特徴付けるのは、黒い文字盤、3・6・9の数字、12時位置の三角です。現行のRef.124270もこの構成を受け継ぎ、日付窓を設けず、中央の3本の針で時刻を示します。ロレックス・エクスプローラー36

表示する情報を絞った文字盤は、エクスプローラーIIのような日付・24時間目盛り付きの構成とは異なります。まず文字盤に何が表示されているかを見ると、二つの系統を区別しやすくなります。

3・6・9は、暗い場所でも目印になる

現行エクスプローラーの公式解説は、針とインデックスに加え、3・6・9の数字にも蓄光素材を使い、青く発光するクロマライト表示を備えると説明しています。明るい場所での黒と白の対比だけでなく、暗所でどの部分が目印として残るかも、表示を理解するポイントです。出典:ロレックス公式・クロマライト表示

ここでの説明は現在の公式掲載仕様についてです。記事冒頭の114270の参考写真や、すべての旧世代の数字が同じ仕様という意味ではありません。中古の文字盤を比べるときは、数字の形が似ているかに加え、その型番・世代の発光する部分を確認すると、現在の機能を過去の個体へ当てはめずに済みます。

エクスプローラーは36mmから39mm、そして36mmと40mmへ

エクスプローラーのサイズは、ずっと一種類だったわけではありません。公式説明では、2010年に39mmへ拡大し、2021年に36mmへ戻り、2023年から40mmも加わったとされています。ロレックス・ケース径の変遷

節目 ケース径の変化 読み分ける点
2010年 39mmへ拡大 現行40mmとは別の世代
2021年 36mmへ回帰 旧36mmと内部・細部まで同一という意味ではない
2023年 40mmを追加 確認日時点では36mmと40mmを公式掲載

同じ黒い3・6・9文字盤でも、ケースの大きさが違えば型番も変わります。中古品の「エクスプローラー」という名称だけから、現行サイズや現行の機械を想定しないことが大切です。

1971年のエクスプローラーII――昼と夜を区別するために

1971年に登場したエクスプローラーIIは、追加の24時間針と、24時間目盛りを刻んだ固定ベゼルを備えました。洞窟や極地のように、外の明るさだけでは時刻の昼夜を判断しにくい環境が、その用途の背景です。ロレックス・エクスプローラーII

通常の12時間表示では、針が同じ位置にあっても朝の7時か夜の7時かを文字盤だけで区別できません。24時間針が同じ地域の時刻を示していれば、ベゼル上の7と19のどちらを指しているかで読み分けられます。これは表示の仕組みを説明する例です。

24時間針がある時計を、すべて最初から「二つの地域の時刻を独立して設定できる時計」と考えるのは適切ではありません。昼夜を判断する表示と、別の時間帯を示す機能は、分けて理解する必要があります。

1980年代の変化――現地時刻と基準時刻を分けられるように

ロレックスの歴史解説は、エクスプローラーIIに、分針・24時間針とは独立して通常の時針を調整できる機械が加わり、第二の時間帯を表示できるようになったと説明しています。ロレックス・探検用時計の技術史

年代には資料上の違いがあります。この公式年表は機能変更を1982年の項目に置く一方、PhillipsはRef.16550の導入を1985年と説明し、掲載個体の機械をキャリバー3085と記載しています。両資料の年が何の段階を指すかを完全には照合できていないため、本稿では変更を1980年代として扱い、特定型番の発売年へ一律に置き換えません。Phillips・Ref.16550の出品記録と解説

機能上の要点は、通常の時針を動かして現地時刻を合わせ、24時間針を基準地域の時刻に保てることです。現行モデルでも、独立して1時間ずつ調整するのは通常の時針で、分針・秒針と24時間針を変えずに操作できます。ロレックス・現行エクスプローラーIIの機能

24時間針は、毎正時だけを指す針ではない

エクスプローラーIIの追加針は24時間で文字盤を一周します。例えば基準地域が19時30分なら、24時間針はベゼル上の19時相当の位置と20時の位置の中間を指し、分は通常の分針で30分と読みます。「19」という数字が刻まれていなくても、隣り合う目盛りの間を読むことになります。これは機能を説明する仮定で、掲載写真の時刻を読んだ例ではありません。

旅行先と基準地域で時差が整数時間なら、分の位置を共通にしたまま通常の時針だけを1時間ずつ動かせます。一方、30分や45分のずれがある地域同士を、独立時針の1時間刻みの操作だけで同じように合わせることはできません。第二時間帯を使う場合は、目的地との時差と表示の仕組みが合うかを確認しておきましょう。

2011年と2021年は、別の更新

2011年、エクスプローラーIIは42mmへ拡大し、初期モデルを思わせるオレンジ色の24時間針を再び採用しました。この世代にはキャリバー3187が搭載されます。2021年にはケースとブレスレットが見直され、機械は3285へ更新されました。ロレックス・2011年と2021年の記録

このため、「42mmでオレンジ色の針がある」という外観の説明だけでは、機械の世代まで確定しません。現行の226570に掲載された仕様を、それ以前の42mmモデルへそのまま当てはめることはできません。

白い文字盤と黒い文字盤も、同一世代の選択肢として確認します。古い個体に見られる色調の変化や部品交換の有無は、モデルの公式色展開とは別の情報です。

現在の5仕様を、表示・寸法・機械で比べる

以下は確認日に公式ページで確認できた仕様です。在庫や個々の販売条件を示す一覧ではありません。

型番・公式ページ識別表記 ケース径・素材 文字盤と表示 機械
124270/m124270-0001 36mm、オイスタースチール 黒、3針、日付なし 3230
224270/m224270-0001 40mm、オイスタースチール 黒、3針、日付なし 3230
124273/m124273-0001 36mm、イエローロレゾール 黒、3針、日付なし 3230
226570/m226570-0001 42mm、オイスタースチール 白、日付・24時間表示 3285
226570/m226570-0002 42mm、オイスタースチール 黒、日付・24時間表示 3285

出典:124270、224270、124273、226570・白、226570・黒。イエローロレゾールは、オイスタースチールとイエローゴールドの組み合わせです。

この5仕様は、いずれも自動巻き、約70時間のパワーリザーブ、100mの防水表記、オイスターブレスレットを備えています。3230と3285で共通する数値があっても、日付と24時間表示の有無は異なります。公表された新品時の仕様と、中古個体の現在の動作・防水状態は別に確認します。

仕様別の国内希望小売価格

価格確認日:2026年9月28日。ロレックス公式の日本向け価格情報で確認した税込額です。各リンクの末尾番号まで含めた仕様に対応します。

対象・仕様価格区分・出典
124270-0001
36 mm/オイスタースチール/ブラック/オイスター(3列リンク)
1,177,000円国内希望小売価格(税込・ロレックス公式)
価格の出典
224270-0001
40 mm/オイスタースチール/ブラック/オイスター(3列リンク)
1,241,900円国内希望小売価格(税込・ロレックス公式)
価格の出典
226570-0002
42 mm/オイスタースチール/ブラック/オイスター(3列リンク)
1,576,300円国内希望小売価格(税込・ロレックス公式)
価格の出典
226570-0001
42 mm/オイスタースチール/ホワイト/オイスター(3列リンク)
1,576,300円国内希望小売価格(税込・ロレックス公式)
価格の出典
124273-0001
36 mm/イエローロレゾール – オイスタースチール&イエローゴールド/ブラック/オイスター(3列リンク)
2,164,800円国内希望小売価格(税込・ロレックス公式)
価格の出典

36mmと40mm、3針と24時間表示を比較しています。エクスプローラーIIの白・黒は同額でも別の文字盤仕様です。旧型の114270・16550などの取引価格ではありません。 公式掲載価格は、店頭在庫や購入機会、中古の成約額・買取額を保証するものではありません。

価格・在庫・受付条件は変わることがあります。購入や依頼の際は、対象の仕様と最新の支払総額をご確認ください。

留め具の安全機構と、約5mmの長さ調整

現行エクスプローラーとエクスプローラーIIの公式解説には、オイスターロックとイージーリンクが登場します。前者は不意の開放を防ぐ安全機構付きの留め具、後者はブレスレットを約5mm延長できる仕組みです。同じ留め具周辺の説明でも、開きにくくする役割と長さを変える役割を分けて読むと理解しやすくなります。出典:ロレックス公式・ブレスレットと留め具

例えば最初に腕に合う長さへ調整した後、少し余裕が欲しい場面で使う延長機構と考えると、約5mmという数値の意味がつかめます。どの長さのブレスレットでもこれだけで自分の手首に合わせられる、という意味ではありません。中古品では余りコマと調整後の腕回りを確認し、そのうえで追加の延長機構が使える状態かを確かめましょう。

GMTマスターIIと比べると、固定ベゼルの意味が分かる

現行エクスプローラーIIとGMTマスターIIは、どちらもキャリバー3285を使い、通常の時針を独立して動かせます。一方、エクスプローラーIIの24時間ベゼルは固定式で、GMTマスターIIは両方向へ回転するベゼルを備えます。エクスプローラーIIの仕様、GMTマスターIIの公式解説

比較点 エクスプローラーII GMTマスターII
24時間目盛り 固定ベゼルに刻まれる 回転ベゼルに刻まれる
24時間針の用途 同じ地域の昼夜判別、または基準地域の時刻表示 基準地域の時刻表示。ベゼルで読む地域を切り替えられる
ベゼル操作 回転による読み替えはできない ベゼルを回して別の時差に合わせられる

エクスプローラーIIの24時間針を自宅の時刻に設定して旅行先で使う場合、その針が示す昼夜も自宅側のものです。現地の昼夜を示しているのか、別の地域を示しているのかは、自分の設定によって変わります。具体的な設定順序は、対象型番の公式ユーザーガイドで確認してください。

回転ベゼルを使う読み方は、GMTマスター/GMTマスターIIの記事で例を示しています。

エクスプローラーでは3針の読みやすさと寸法、IIでは24時間針の用途と機械の世代を押さえると、名前が似た二つのモデルを整理できます。本稿は基本となる違いを扱ったもので、すべての旧型番・文字盤・搭載機械の移行を網羅するものではありません。ブランド全体の歩みはロレックス史を参照してください。

数字と針による情報の読み取り方は、ジン556の解説でも紹介しています。556 Aの文字盤、寸法、機械の公式仕様を整理しています。