ロンジン レジェンドダイバーは、ケースの右側にある二つのリューズと、風防の内側を囲む目盛りが特徴です。外周に大きな回転ベゼルを持つ潜水時計とは、正面の見え方が異なります。
二つのリューズは何に使うのか。1959年という年は何を指すのか。歴史と表示の役割を確認してから、39mmと42mmの具体的な製品を比較してみましょう。
1959年は、デザインの起点となる潜水時計の年
ロンジンの2023年11月の発表は、39mmのレジェンドダイバーを、1959年のオリジナルから着想を得た時計と説明しています。1959年はデザインの起点、2023年は39mmモデルの発表時期であり、同じ出来事の年代ではありません。ロンジン公式・2023年の発表
過去の姿を受け継ぐ時計でも、現在の内部機構や製品仕様が当時と同じとは限りません。「復刻」という言葉を見るときは、何を受け継ぎ、どの部分が更新されたのかを分けると理解が深まります。
1959年の原型と、2007年の再登場を分ける
2023年の公式資料にある年表では、1959年の時計としてRef.7042を挙げ、2007年にはレジェンドダイバーの名でRef.L3.674.4.56.2が再登場したと整理しています。1959年、2007年、2023年を一本の年表に置くと、原型の誕生、現代のシリーズとしての再登場、39mmへの展開という三つの節目になります。
同じ資料では1959年の原型を42mmと記載しています。したがって「原点への回帰」という説明を、39mmが1959年の寸法をそのまま再現したという意味に読み替えることはできません。二つのリューズと内側の回転目盛りという意匠を受け継ぎながら、寸法や内部の機械が変わった時計として見ると、復刻の意味が具体的になります。出典は上記の公式発表と、そのプレスリリースの年表です。
上側のリューズで、内側の60分目盛りを動かす
2023年の公式資料は、2時位置のねじ込み式リューズが内側の双方向回転ベゼルを操作すると説明しています。60分の目盛りをケース内に配置することで、外からの接触や衝撃による意図しない設定の変化を抑える考え方です。ロンジン公式プレスリリース・機構の説明
読み方の基本は、開始時の分針の位置に目盛りの起点を合わせ、そこから進んだ分を読むことです。例えば開始が10時20分、確認が10時35分なら、経過した時間は15分です。通常の時刻表示を動かさずに、もう一つの目盛りで経過を読めます。
リューズが二つあることは、クロノグラフのスタート・ストップボタンが二つあるという意味ではありません。外側の操作部を数えるだけでなく、何を動かしているかを見るのがポイントです。
時刻と経過時間は、同じ分針から違う値を読む
10時20分に起点を合わせた例なら、10時35分の分針は通常の分目盛りでは35分、回転目盛りでは15分を示します。針を追加しているのではなく、針に対する目盛りの位置を変えて、開始からの時間を読み取っています。時刻を読む目盛りと回転する目盛りを混ぜないことが、最初の練習になります。
60分目盛りは一周すると元の位置へ戻ります。例えば開始から75分後の針の位置だけでは、15分後との区別はつきません。この仕組みには経過した時間数を別に数える積算計がないため、長時間の記録を読む時計として説明しないようにします。ここでの例は表示の理解を目的としたもので、潜水計画や水中での操作手順を示すものではありません。
39mmと「59」の42mmを比較する
| 比較項目 | レジェンドダイバー | レジェンドダイバー59 |
|---|---|---|
| 品番 | L3.764.4.90.7 | L3.795.4.59.9 |
| ケース径 | 39mm | 42mm |
| ケース素材 | ステンレススティール | ステンレススティール |
| 巻き上げ | 自動巻き | 自動巻き |
| 振動数 | 毎時25,200振動 | 毎時25,200振動 |
| パワーリザーブ | 最大72時間 | 最大72時間 |
| 防水表記 | 30bar | 30bar |
| 文字盤 | ブルーラッカー・ポリッシュ | ブラック・グレイン仕上げ |
出典:公式・L3.764.4.90.7、公式・L3.795.4.59.9。
今回の二つは、直径だけでなく文字盤の色と仕上げも異なります。一方、表に挙げた駆動時間や振動数は共通しています。「大きい方が長く動く」といった想像をせず、各項目を個別に読むと違いが明確になります。
比較する型番の基準価格
価格確認日:2026年10月9日。型番とベルト仕様を指定し、価格の出典を併記しています。
| 型番・仕様 | 基準価格 | 区分と出典 |
|---|---|---|
| L3.764.4.90.7 39mm・青文字盤・スティールブレスレット | 562,100円 | 日本公式掲載のメーカー希望小売価格 価格の掲載元 |
| L3.795.4.59.9 42mm・黒文字盤・ストラップ仕様 | 597,300円 | 日本公式掲載のメーカー希望小売価格 価格の掲載元 |
日本公式ページは、メーカー希望小売価格を参考価格とし、販売価格は各正規販売店で異なると案内しています。取得できた価格欄では税込・税別の明記を確認できていないため、掲載額をそのまま示しています。同じレジェンドダイバーでも、ケース径や文字盤、ベルトが違う型番にはこの価格を当てはめられません。
価格や納期・在庫は変わることがあります。掲載額は買取価格を示すものではありません。購入時は対象型番の最新条件をご確認ください。
内側の目盛りは、文字盤の広がりにも関わる
レジェンドダイバーを正面から見るときは、時刻を読む内側の目盛りと、経過時間を読む外側の目盛りを分けて観察してください。二つの情報が風防の下に収まるため、外装の輪郭だけでなく、目盛り同士の間隔も印象を作ります。
39mmと42mmを比べる際にも、ケース径だけで装着感を決めるのは難しいところです。手首の上でのラグの収まり、リューズの張り出し、ベルトの曲がり方まで見ると、数字と実物の感覚を結び付けられます。
毎時25,200振動と72時間は、別の性能を表す
比較表の毎時25,200振動は、内部で時の進みを刻む振動の回数です。秒に換算すると毎秒7振動、往復を一周期として数えると3.5Hzになります。一方、72時間は十分に巻き上げた状態からの駆動時間の目安で、日数では3日です。振動数と駆動時間は、同じ「時間」に関わる数値でも意味が違います。
どちらの数値からも、一日に何秒進むか・遅れるかを直接計算することはできません。39mmと42mmの比較では、共通する機械の数値を先に押さえたうえで、ケース径、文字盤の仕上げ、ベルトの違いへ進むと、何が選択の分かれ目なのかが見えてきます。これらの振動数と駆動時間は、比較表に示した二つの品番の公式仕様に基づきます。
品番末尾まで確認し、操作は取扱説明書に合わせる
比較表の39mmは末尾が「.90.7」の品番です。2023年資料に出てくる別品番と混ぜず、ブレスレットや留め具も含め、対象製品のページで確認してください。名前と文字盤色だけでは、付属する外装の仕様まで特定できない場合があります。
また、ここで説明したのは目盛りの読み方です。リューズの操作や水中での取り扱いは、対象時計の説明書に従ってください。1959年の時計に、比較表の30barという数値を当てはめることもできません。
ベゼルの配置から、潜水時計を読み比べる
フィフティ ファゾムスの歴史やブラックベイの歴史と合わせて読むと、経過時間を読む仕組みを、外装のどこに置くかという比較ができます。デザインの違いを、表示と操作の役割から眺めてみてください。
情報確認日:2026年10月9日。比較仕様は本文記載の2品番に限定しています。
時計の素材を使う場所まで比較するなら、ラドー キャプテン クックの歴史も合わせてご覧ください。ケース、ベゼル、ブレスレットの素材と寸法の違いを解説しています。

