デイデイトは、日付に加えて曜日を省略せずに表示するロレックスです。12時位置の横長の窓に曜日、3時位置に日付を置く構成が、外観を特徴付けています。貴金属のケースとプレジデントブレスレットも、このモデルを理解する手がかりです。
ここでは表示の仕組み、サイズと機械の変遷、現行の比較例、2026年の新素材を整理します。資料・公式掲載仕様の確認日:2026年10月5日(価格の確認日は価格欄に別記)。

1956年、日付と曜日を二つの窓へ
デイデイトの発表は1956年。ロレックスの公式年表は、日付とともに曜日をフルスペルで窓に表示する腕時計として紹介しています。プレジデントブレスレットも、このモデルのために誕生しました。ロレックス公式年表・1953〜1967年
1945年に誕生したデイトジャストとの分かりやすい違いは、曜日窓の有無です。日付だけを読む構成から、週の中の一日も読む構成へ。二つの名前は似ていますが、文字盤に載せる情報が違います。デイトジャストの歴史
現行デイデイトの曜日と日付は、それぞれのディスクを使って表示され、同時に瞬時に切り替わります。公式資料では曜日表示に26言語の選択肢があるとされています。これは言語仕様の選択肢であり、1本の時計を操作して26言語へ自由に切り替える機能を意味しません。ロレックス・デイデイトの表示機構
曜日が変わる瞬間の仕組みと、止まった時計の曜日・日付を合わせる仕組みは別です。後者は世代によって変化しており、外観が似ていても同じ操作で調整できるとは限りません。
二つの窓と、午前・午後を結び付けて読む
曜日窓は「週の何日目か」、日付窓は「月の何日目か」を示します。たとえば説明用に水曜日の15日を考えると、次の午前0時には木曜日の16日へ進みます。曜日は同じ七つの名前を繰り返し、日付は月の中の数字を示すため、同時に切り替わっても、二つの窓が伝える情報は別です。
ここで大切なのは、針の12時が昼か夜かという区別です。中央の針が同じ位置でも、昼の12時に曜日と日付が進むように設定されていれば、半日ずれています。公式説明書は、時刻合わせの際に針を進め、日付の切替で午前0時を確認する方法を案内しています。曜日や数字だけを合わせるのでなく、時刻の午前・午後と対応させると、二つの窓を正しく読めます。公式説明書・時刻設定、冊子10〜11ページ
現行の説明書では、リューズのカレンダー設定位置で、回す方向により日付と曜日を別々に調整します。この操作中も時計は動き続けます。一方、時刻を合わせる位置では秒針が止まります。「曜日・日付をそろえる」と「秒まで時刻を合わせる」は、目的の違う操作です。実際には手元の世代に対応した説明書を使い、古い機械に現行の操作方法を当てはめないようにします。
「プレジデント」はブレスレットの名前でもある
プレジデントブレスレットは、丸みのある3列のリンクで構成されます。現行の説明では、継ぎ目に留め具を隠すクラウンクラスプと、リンク内部の摩耗を抑えるセラミック製インサートを備えています。これらの現行構造を、そのまま1956年やすべての旧型へ当てはめることはできません。ロレックス・プレジデントブレスレットの構造
「大統領の時計」という呼び方の背景には、政治家らの着用歴があります。公式の歴史ページは、1963年にホワイトハウス入りしたリンドン・B・ジョンソンの着用を紹介しています。ただし、プレジデントという呼称だけで特定の人物の所有品や、特定の型番だと判断することはできません。ロレックス・デイデイトの歩み
さらにプレジデントブレスレットは、貴金属製デイトジャストの一部にも使われます。ブレスレットだけでモデル名を決めず、曜日窓とケースの仕様も合わせて見る必要があります。ロレックス・プレジデントの採用対象
丸いリンクと隠れた留め具が、帯の見え方を作る
プレジデントの「3列」は、一本のリンクが三つしかないという意味ではなく、帯の幅方向に並ぶ構成を指します。腕を囲む方向には多くのリンクが連なり、それぞれの丸みが光を返します。正面写真だけでなく斜めから見た写真では、平らな板に近い帯との違いが読み取りやすくなります。
隠し式クラウンクラスプは、閉じたときに留め具の大きな板を目立たせず、リンクの流れをつなぐ構成です。開閉の手がかりになる小さな王冠も、この見え方に関わります。また、現行品のセラミック製インサートはリンクの内側でピンを囲む部品であり、外から見える貴金属のリンクをセラミックへ置き換えたものではありません。表面の造形と内部の摩耗対策を分けて見ると、外装の説明が具体的になります。公式・プレジデントの留め具と内部構造
機械とサイズが変わった節目
デイデイトの歴史を追うときは、機械の更新とケース径の変更を分けると整理しやすくなります。公式のモデル史では、次の節目が確認できます。ロレックス・機械とケースの変遷
| 年 | 変更の節目 | 読み分ける点 |
|---|---|---|
| 1988年 | 3055から3155へ。曜日・日付の両方に早送り機能 | カレンダーの合わせ方が進化 |
| 2008年 | デイデイトII登場。41mm、3156 | 現行40mmとは別の世代 |
| 2015年 | デイデイト40登場。40mm、3255 | 径と機械をともに変更 |
| 2022年 | プラチナ製デイデイト40にフルーテッドベゼル | ケース素材だけでなくベゼルの加工にも変化 |
特に「デイデイトII」と「デイデイト40」は、名前を言い換えただけの関係ではありません。41mmと40mmという寸法差に加え、3156と3255という機械の違いがあります。
旧型を調べる場合は、型番と搭載機械を確かめたうえで、その世代の説明書に沿って操作方法を確認します。本稿の年表は主な節目であり、初期型番からの全移行表や、個々の時計の製造年を判定する表ではありません。
現行36mmと40mmを、同じ素材で比べる
現行の比較例として、イエローゴールドの2仕様を取り上げます。径は違いますが、どちらも3255を搭載し、公称パワーリザーブは約70時間、防水性能は100mです。以下は表に記載した仕様の比較で、すべての文字盤や素材の一覧ではありません。
| 比較項目 | デイデイト36 | デイデイト40 |
|---|---|---|
| 公式掲載仕様 | m128238-0069 | m228238-0061 |
| ケース径 | 36mm | 40mm |
| 素材 | 18ctイエローゴールド | 18ctイエローゴールド |
| 文字盤 | グリーンオンブレ、ダイヤモンド装飾 | グリーン |
| ベゼル | フルーテッド | フルーテッド |
| 機械 | 3255、自動巻き | 3255、自動巻き |
| 公称パワーリザーブ | 約70時間 | 約70時間 |
| 公称防水 | 100m | 100m |
| ブレスレット | プレジデント | プレジデント |
出典:デイデイト36・128238、デイデイト40・228238。
36mmの比較例は中央から外周へ色が変化するオンブレ文字盤、40mmの比較例はグリーンのラッカー文字盤です。同じ「緑」と呼ばれていても、仕上げや時刻マーカーまで同じではありません。径の違いだけを見たい場合も、装飾の差が見た目に与える影響を分けて考える必要があります。36mmの文字盤、40mmの文字盤
約70時間という数値は動力を十分に蓄えた状態での目安です。また、新品の公称防水性能は、整備履歴や状態が異なる中古個体の現在の性能を保証するものではありません。
同じグリーンでも、色の作り方が違う
36mmのオンブレ文字盤は、中心の色から外周の黒へ変化する構成です。公式は黒いラッカーを加え、境目を調整する工程を説明しています。一方、比較する40mmのグリーンは、真鍮の地板に薄いラッカーを重ね、透明な仕上げを加えて研磨するものです。前者では中心から縁への色の移り方、後者では面の艶を見ると、写真の違いを言葉にできます。36mm・オンブレの加工、40mm・ラッカーの加工
後述する2026年のアベンチュリン文字盤は、さらに別の天然石です。緑という色名は共通でも、塗装による表現と石そのものの表情は同じではありません。素材、色の仕上げ、宝石の配置を順に見ることで、サイズ以外の比較軸も見えてきます。
仕様別の国内希望小売価格
価格確認日:2026年9月28日。ロレックス公式の日本向け価格情報で確認した税込額です。各リンクの末尾番号まで含めた仕様に対応します。
| 対象・仕様 | 価格 | 区分・出典 |
|---|---|---|
| 128238-0069 36 mm/18 ct イエローゴールド/ダイヤモンド入りグリーンオンブレ/プレジデント、半円型リンク(3列) | 7,285,300円 | 国内希望小売価格(税込・ロレックス公式) 価格の出典 |
| 228238-0061 40 mm/18 ct イエローゴールド/グリーン/プレジデント、半円型リンク(3列) | 7,481,100円 | 国内希望小売価格(税込・ロレックス公式) 価格の出典 |
本文で比較したイエローゴールドの36mmと40mmに対応した価格です。文字盤など指定仕様を含む額で、全デイデイトの最安値・最高値を表すものではありません。2026年のジュビリーゴールド仕様の価格へ流用しないでください。 公式掲載価格は、店頭在庫や購入機会、中古の成約額・買取額を保証するものではありません。
価格・在庫・受付条件は変わることがあります。購入や依頼の際は、対象の仕様と最新の支払総額をご確認ください。
貴金属のモデルに加わった、2026年のジュビリーゴールド
ロレックスはデイデイトを、18ctゴールドまたは950プラチナで製作するモデルと説明しています。スチールとゴールドを組み合わせる他モデルの仕様を、そのままデイデイトにもあると推測しないことが大切です。ロレックス・デイデイトの素材
2026年には、独自の18ct合金「ジュビリーゴールド」を用いるデイデイト40が発表されました。公式資料が紹介する一例は、ライトグリーンの天然石アベンチュリンの文字盤、10個のバゲットカット・ダイヤモンド、フルーテッドベゼルという組み合わせです。
ここで「ジュビリー」はゴールド合金の名称です。装着するのはプレジデントブレスレットであり、ジュビリーブレスレットという意味ではありません。機械は3255を継続しています。ロレックス・2026年デイデイト40
前回扱ったオイスターパーペチュアルにも、ジュビリーモチーフの文字盤が登場しました。同じ単語でも、素材・模様・ブレスレットのどれを指すかは製品ごとに異なります。オイスターパーペチュアルの2026年新作
デイデイトを比較する入口は、曜日表示、ケース径、機械、素材、ブレスレットの五つです。そこへ文字盤と言語仕様を加えると、同じモデル名の中にある違いを具体的に読めるようになります。旧型番、天然石文字盤、オイスタークォーツ・デイデイトなどの個別系統は、さらに資料を分けて調べる対象です。


