ブルガリ オクト フィニッシモとは?40mmと37mmで読む、薄さと機械の違い

実物写真準備中。掲載可能な写真を確認しています。 ブランド・モデル
実物写真準備中。掲載可能な写真を確認しています。

ブルガリのオクト フィニッシモを理解する入口は、正面の形と横から見た薄さを分けて観察することです。角のある輪郭は強い存在感を生みますが、ケースの厚さは別の尺度で設計されています。

さらに、同じ名前の時計でも、サイズによって搭載する機械や素材が変わります。ここでは40mmのスティール製103297と、37mmのチタン製104351を比較します。

2017年の資料が示す、自動巻き薄型時計の歩み

ブルガリの2017年公式カタログには、オクト フィニッシモ オートマティックとBVL 138が掲載されています。そこに記載されたムーブメントの厚さは2.23mm、チタンケースの厚さは5.15mmです。ブルガリ公式・2017年時計カタログ

この二つの数字は、機械単体と完成した時計という異なる対象を示します。また、当時のチタンモデルのケース厚を、現在の別素材・別品番に当てはめることもできません。歴史の資料は、その時点の製品を読むためのものです。

薄型時計の難しさは、部品を一様に薄く削れば済むわけではないことです。歯車や受けを収める高さ、針と文字盤の間隔、巻上げ機構の配置などを、限られた空間の中で成立させる必要があります。自動巻きなら腕の動きを受けるローターも必要です。完成品の薄さは、機械と外装を組み合わせた設計の結果として見ると理解しやすくなります。

2017年の数字から現在までを「年々薄くなる競争」としてだけ捉えると、製品の違いを読み違えます。記録を目指す設計と、素材や防水性、サイズの選択肢を広げる設計では、優先する条件が異なるためです。今回の40mmと37mmも、過去の最薄値を更新したかだけでは魅力を比較できません。

直径だけでなく、輪郭とブレスレットを見る

丸い時計と比べるとき、直径の数字だけでは、手首に載せたときの印象まで表せません。角の張り出し、文字盤を囲む部分の幅、ケースからブレスレットへのつながりも、見え方に関わります。

写真ではまず時計全体を見て、次に側面へ目を移すと特徴をつかみやすくなります。正面で感じる広がりと、横から見た薄さ。その両方を一つの時計の性格として読むのが、オクト フィニッシモを比較するコツです。

オクト フィニッシモの面白さは、薄型時計によく期待される控えめな存在感と、正面の強い輪郭が同居するところです。薄さを目立たせるために全体を小さく見せるのではなく、面の広がりを保ったまま横方向の厚みを抑えています。正面の写真で感じた印象が、側面を見ることで変わる。その視覚的な差も、この時計を鑑賞する理由になります。

ブレスレットの最初のコマまで含めて見ると、ケースの角がどの方向へ続いているか分かります。磨かれた面と落ち着いた面では、光の返り方も異なります。実物では腕をゆっくり傾けて、面の境界が見える角度を探してみてください。輪郭そのものと、反射によって現れる線を分けて見ると、単に角ばった時計という印象から一歩進めます。

40mmの103297と37mmの104351を比較する

比較項目103297104351
ケース径40mm37mm
ケース素材ステンレススティールチタン
ケース厚6.40mm6.45mm
ムーブメントBVL 138BVF 100 – Finissimo
巻き上げ自動巻き自動巻き
秒表示スモールセコンドスモールセコンド
防水表記100m30m

出典:ブルガリ公式・103297、ブルガリ公式・104351。

今回の37mmモデルは、直径が小さい一方、ケース厚は40mmモデルより0.05mm大きい数値です。「小径だから、厚さも薄い」とは限りません。また、素材も異なるため、この表は同じ時計の単純なサイズ違いを並べたものではありません。

ケース径の差は3mmですが、ケース厚の差は0.05mmにとどまります。この二つの比較から分かるのは、37mmが40mmをそのまま縮小した設計ではないことです。小径化を最優先する人には37mmが候補になりますが、防水の公称値を含めた日常の使用条件まで同じだと考えることはできません。

また、チタンとスティールでは、色調や重さの感じ方も比較点になります。ただし時計全体の重さは部品やブレスレットの長さにも左右されるため、素材名だけで具体的な重量差を決めつけない方が正確です。見た目、腕の上での収まり、用途の三つを同じ個体で確かめると、仕様表の数字が実感につながります。

比較する型番の基準価格

価格確認日:2026年9月29日。本文で比較した型番について、日本向け公式情報の価格をまとめました。

型番・仕様基準価格区分と出典
103297
40mm・スティールケース/ブレスレット・黒文字盤
2,233,000円
(税込)
日本向け公式掲載価格
価格の掲載元
104351
37mm・チタンケース/ブレスレット
2,706,000円
(税込)
日本向け公式掲載価格
価格の掲載元

日本向け公式ストア掲載の税込価格です。40mmと37mmではケース素材と搭載ムーブメントも異なり、小径モデルの方が安いという関係ではありません。上記は確認時点の掲載価格であり、発売時価格を示すものではありません。納期やブティックの在庫は別途ご確認ください。

価格・納期・在庫は変わることがあります。掲載額は中古相場や買取価格ではありません。購入時は型番と付属するベルト、最新の販売条件をご確認ください。

37mmは、搭載する機械の名前も異なる

104351のBVF 100 – Finissimoは、厚さ2.35mm、プラチナ製マイクロローターを備える自動巻きで、公称パワーリザーブは72時間です。外装だけでなく、機械の仕様も確認する必要があります。ブルガリ公式・オクト フィニッシモ37mm

パワーリザーブは、十分に巻き上げた状態での駆動時間を比較する指標です。日々の装着でどれだけ巻き上がるかという条件とは分けて考えます。薄さ、直径、駆動時間を一つの数値で順位付けせず、用途に照らして読むことが大切です。

マイクロローターは、薄さを作る配置の工夫

一般にマイクロローターは、小径の回転錘をムーブメントの内部へ収める方式です。大きな回転錘を機械の上へ重ねる構成に比べ、高さを抑える設計に利用できます。一方、小さくした回転錘で必要な巻上げを行うため、素材や支持の仕方を含む工夫が重要になります。部品が小さいことと、製造が容易であることは同じではありません。

37mmのBVF 100について、メーカーの開発紹介は直径31mm、厚さ2.35mm、72時間の持続時間を示しています。小径の外装へ入れるための寸法と、自動巻きとしての持続時間を一緒に見ると、キャリバーを区別する意味がはっきりします。ケース径の変更だけを追うより、内部の設計がどのように変わったかを読む方が、モデルの性格をつかめます。

裏側では、模様の方向と部品の縁を見る

公式の37mm紹介では、放射状のコート・ド・ジュネーブ装飾も特徴として挙げられています。こうした模様は名前を覚えるだけでなく、どの方向へ光が流れるかを見ると楽しめます。次に部品の縁へ目を移し、平面から縁へ反射がどう切り替わるかを観察します。動くローターと、動かない受けの表面を見分けることで、機構と装飾を別々に味わえます。

購入前の確認は、品番と側面写真から

中古品や過去の紹介記事を見るときは、まず品番を確認してください。次に、素材、ケース厚、防水表記、搭載キャリバーを同じ品番の資料と照合します。シリーズ名だけで検索すると、異なる世代や仕様の説明が混ざりやすくなります。

装着感については、ブレスレットの長さ調整や曲がり方も確認したい部分です。防水数値についても、古い個体の現状を保証するものではありません。仕様と、目の前にある個体の状態を分けて読むことで、比較の軸がはっきりします。

例えば販売写真が正面だけなら、ケース側面と裏側、留め具、ブレスレットを曲げた状態の写真も確認します。外装の仕上げ直しについては有無だけでなく、どの範囲に処置が行われたかが比較材料になります。鋭い輪郭や面のつながりに惹かれたのであれば、その特徴が候補の個体でどう見えるかを確認することが、購入理由と状態評価を結びつけます。

薄い時計を選ぶときは、袖に入りやすいかだけでなく、手首を曲げたときの当たりや、ブレスレットの調整幅も見ます。満巻からの持続時間が長くても、自分の着用時間で十分に巻き上がるかは別の条件です。整備履歴、保証、調整に必要なコマを含めて販売店へ相談すると、購入後の使い方まで具体的になります。

ロイヤル オークの歴史とノーチラスの歴史も、ケースとブレスレットのつながりを見る手がかりになります。輪郭の似た部分を探すだけでなく、ベゼルの面、文字盤の余白、側面の厚さを順に比べてみてください。

情報確認日:2026年9月29日。比較仕様は103297と104351に限定。2017年の数値は当時の公式掲載モデルのものです。

ロイヤル オーク、ノーチラス、オクト フィニッシモは、ケースとブレスレットのまとまりを比較できる一方、同じ造形を目指した時計ではありません。自分が惹かれるのが正面の輪郭なのか、横からの薄さなのか、仕上げの反射なのかを言葉にしてみると、知名度だけに頼らず選べます。オクト フィニッシモでは、薄さが見え方そのものを変えているかを確かめるのが、有効な比較の軸になります。